幼馴染の彼~あの日の約束~

未来の彼

 6月
 
 世にいうジューンブランド。

 日本は梅雨時期になるから、あまり好まれてはいないが、時期が重なったのは偶然なのか。

 智弥は意外とロマンチスト派だから、狙っていたのかもしれない。

 場所は、思い出の軽井沢。

 年代あるチャペルで式を挙げる。

 夢のような現実なのか、それとも本当は夢なのか。

 鏡に映る、お姫様のような花嫁に問いかけていると、

「怜美!!超綺麗!!」

 背後から、真子の響くような声が聞こえて、これは現実だと実感した。

「真子、ありがと」

「似合いすぎだわ。花嫁っていうよりプリンセスね」

「先輩、おめでとーございまーすって、どっかのモデルのようですね!?」

「久々に見たわ、こんな綺麗な花嫁」

 後から後から、会社の後輩や同僚から賛辞の声が聞こえてくる。
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