幼馴染の彼～あの日の約束～

　庭を見つめながらそんな話をしている智弥の横顔を見ると、やっぱりかっこよくてドキドキした。多分見つめてしまっていた自分に智弥は気が付いたのか、


「あのさ」
　
　いきなり顔を向けられ、目が合う。整った顔にドキッとして思わず視線を逸らしてしまう。


「何？」

　そう聞き返したのに、智弥は何も言わずに私を見つめたまま無言だった。痛いくらいに視線を感じる。
　そんなにみつめないでほしい。顔が熱くなっていくのが自分でもわかって、どうしたらいいのかわからない。


「お前・・・軽井沢の時の約束覚えてるか？」


「え？」

　唐突に投げかけられた質問に私は瞬かせた。智弥を見るとなんとなく切なそうな表情をしていて、私は何故か不安になった。


「軽井沢の約束？何かしたっけ？」

　思い出せずに返事をすると、やっぱり覚えていないかというように、小さな溜息が聞こえた。


「ごめん、待って思い出すから！えっと・・・軽井沢でしょ・・・」


「いや、いいよ。まだ約束は果たされていないような気がするから」