となりの弱虫ヒーロー【短編】

▷弱虫

物心ついた頃から、私の隣にはいつも君がいた。


私より頭一つぶん小さくて、私より女の子みたいで、私よりずっと弱虫な君は、いつだって私の隣で泣いていた。


お気に入りのぬいぐるみがなくなった。


ご飯に苦手なニンジンが出た。


転んだ、ぶつけた、怪我をした。


何をしても、けっきょく君は泣いた。


そんな君を守るのは、幼い私の役目だった。
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