(完)嘘で溢れた恋に涙する
「何もかもくそくらえだ」



最後にそう言い放って、理玖は私の腕を掴んで教室を飛び出した。



廊下をぐんぐんと走っていく理玖に私は足がもつれそうになりながら必死で合わせる。



途中でやっと教室にやって来る担任とすれ違った。




「えっ、ちょっあなたたちどこ行ってるの!?」




焦る声が後ろから聞こえたけどスピードを緩めることはない。




靴も履き替えずに外に出て、また走る。




今にも雨が降り出しそうだ。



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