(完)嘘で溢れた恋に涙する
事故が起きたのは、三年前。



私が初等部6年の時だ。



変わらず私はクラスの中心にいて、たくさんの人に囲まれていた。




「由姫ちゃん!これ由姫ちゃんとお揃いのバッグなの。パパにねだって買ってもらったの」




「由姫ちゃん、これ私とお揃いのネックレス。一緒につけようよ」




そんな風にみんなは私に媚びるようにつきまとってきて、我先に私のお気に入りになろうと奮闘してた。




それが当たり前だと思ってたし、そうなるのは私の人望あってこそだとも思っていた。




浅はかで幼稚な思考だと今となっては恥ずかしい限りだけど、みんな友達だって信じてた。





そんなある日、家に帰って、リビングで愛犬と戯れていた。




いつもと変わらない日常だった。




それを一本の電話が打ち壊した。




全てはあの日始まった。


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