(完)嘘で溢れた恋に涙する
マスコミが家の周りを昼夜問わず張り込み、それまでの当たり前の生活が送れなくなった。




次の日から学校にはいけなくなったし、
数十人いた使用人も冷めた目をこちらに向けながら出て行ってしまったし、
マスコミが怖くて、ライフラインの全てを断ち切ってしまった。




それでも私は信じられなかった。




あのお父さんがそんなヘマをしでかすわけがないと思っていた。




お母さんもきっとそうだったんだろう。




不安そうな顔を見せながらも、私に何かの間違いよと何度も言い聞かせた。




そもそもその事件が起きた日、お父さんは出張に行っていたはずだったのだ。




だけど、テレビや新聞がお父さんのそれまでの生活の全てを調べ尽くし、暴いた時、私やお母さんが見てきたお父さんは本当の姿ではなかったのだと思い知らされた。




お父さんには愛人がいて、その日は出張でもなんでもなく、愛人と過ごしていたらしい。





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