(完)嘘で溢れた恋に涙する
だけど、既に逮捕されてしまったお父さんに対してその怒りをぶつけることは不可能だ。


全ては私たち家族に向けられた。


そんな中、たくさんの報道と実際にお父さんと面会したことによってお母さんはもう現実を受け入れざるを得なかった。




そもそも、嘘だとか間違いだとか言ってられる場合じゃなかった。




会社の株は大暴落し、倒産も考えられた。




お母さんが動かないといけない状況だった。




すぐに弁護士を雇い、会社のことは任せて、結果的にいうと、会社は全てかつてのライバル会社に買収された。




だけどそれで無事に終わるはずがなかった。




それに伴い本社ではもちろん、さらには新しい事業に手を出していたせいでいくつも持っていた子会社でも大規模リストラで多くの失業者を出し、


提携を結んでいた企業でも多くの損失が生まれた。


とても太刀打ちできそうにない損害賠償を請求された。



だけど、当たり前の結果だ。




優秀な大学を卒業し、一流企業に就職し、将来を約束されたはずだったのに、社長の起こした事件のせいで全てを失ってしまったんだから。




お父さんの貯蓄と、家や車など財産と言えるものは全て売り払うことで、お金をかき集めたけど、まだ解決には至ってない。



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