(完)嘘で溢れた恋に涙する
そうして差し出された切れ端には想像もしていなかったことが書かれていた。


【オッケー
それなら一緒帰ろうよ】



漏れてしまいそうなため息を必死に飲み込んで頭を抱えた。



ここで断るのはどうしても気が引ける。


自分から一刀両断するのがどうしても怖い。



なんて書けばいいんだろう。



足りない頭を必死に巡らせて考える。



せめて2人っきりじゃなければ…



はっと項垂れていた頭を上げた。


そうだ。
2人っきりにならないようにすればいいんだ。



理玖を不快な気分にさせないように、慎重に言葉を選ぶ。


そして、また理玖に差し出した。


【早くクラスに溶け込めるように他のみんなとも一緒に帰りたいんだけどどうですか?】



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