(完)嘘で溢れた恋に涙する
クラス中から非難を浴びる私はしばらくの間ぼーっとしたように床を見つめていたらしい。
しかし、突如目が覚めたようにポツリと呟いた。
「裏切り者。私が助けてやったのに」
と。
その言葉はクラスの怒りを助長し、私に対する暴言は更にひどくなった。
だけど次の瞬間、怒号は悲鳴へと変わった。
ふらりと立ち上がった私がそばにあった机からとったものは、ハサミだった。
小さくても刃の鋭いそれを刃の方を前に向け右手に握りしめると、十分武器になることはみんなわかっていた。
ほとんどの生徒は甲高い悲鳴をあげながら、教室の外に出たり、隅に逃げ回ったりしていたらしい。
だけど凛花ちゃんは逃げなかった。
澄み切った瞳と気高い表情で私を見つめて、決して視線を逸らさなかった。
私は何かに取り憑かれたように「ウラギリモノ」と繰り返しながらハサミを振り回し始めた。
もちろん半狂乱になっている私が意識を定めて1人に突き刺せるわけもない。
だけど狂気に満ちた表情で動き回る姿はこの世のものとは思えぬほど恐ろしかったらしい。
そして決してその場から動こうとしない凛花ちゃんの体を私がいよいよ勢いよく切りつけようとした時だった。
担任がクラスに駆けつけ、私の元へ走ってきて暴れる私を羽交い締めにした。
凛花ちゃんも平然としていたが、もちろんひどい緊張状態に置かれていたわけで、私が取り押さえられた瞬間ふっと気を失ってその場に倒れ込んだらしい。
私はしばらくの間意味不明な言葉を発しながら暴れていたが、先生がハサミを奪い取って遠くへ投げたことでようやくだんだん落ち着きだしたそうだ。
しかし、突如目が覚めたようにポツリと呟いた。
「裏切り者。私が助けてやったのに」
と。
その言葉はクラスの怒りを助長し、私に対する暴言は更にひどくなった。
だけど次の瞬間、怒号は悲鳴へと変わった。
ふらりと立ち上がった私がそばにあった机からとったものは、ハサミだった。
小さくても刃の鋭いそれを刃の方を前に向け右手に握りしめると、十分武器になることはみんなわかっていた。
ほとんどの生徒は甲高い悲鳴をあげながら、教室の外に出たり、隅に逃げ回ったりしていたらしい。
だけど凛花ちゃんは逃げなかった。
澄み切った瞳と気高い表情で私を見つめて、決して視線を逸らさなかった。
私は何かに取り憑かれたように「ウラギリモノ」と繰り返しながらハサミを振り回し始めた。
もちろん半狂乱になっている私が意識を定めて1人に突き刺せるわけもない。
だけど狂気に満ちた表情で動き回る姿はこの世のものとは思えぬほど恐ろしかったらしい。
そして決してその場から動こうとしない凛花ちゃんの体を私がいよいよ勢いよく切りつけようとした時だった。
担任がクラスに駆けつけ、私の元へ走ってきて暴れる私を羽交い締めにした。
凛花ちゃんも平然としていたが、もちろんひどい緊張状態に置かれていたわけで、私が取り押さえられた瞬間ふっと気を失ってその場に倒れ込んだらしい。
私はしばらくの間意味不明な言葉を発しながら暴れていたが、先生がハサミを奪い取って遠くへ投げたことでようやくだんだん落ち着きだしたそうだ。