(完)嘘で溢れた恋に涙する
はじめに起きた時、その時は気づかなかったけど点滴をしていた。



よく見ていたドラマに主人公が病気になって寝たきりになってしまう感動系のものがあった。



しだいに手足を動かせなくなる主人公は、点滴で栄養を摂っていた。



私もそうだったのかもしれない。



だとすれば、私がここで寝ていた時間は1日や2日なんてものじゃないはず。



1週間、もしくは2週間とか…ずっと私は寝たきりだったのかもしれない。



とりあえず、その2つを確かめたい。



今がいつなのかは日付さえ見れば一発でわかるけれど、ここにカレンダーはない。



どうしようかと考えあぐねていると、ドアの向こうで子供達の笑い声が聞こえた。



そうだ。



さすがに病院の外に出る勇気はないけど、病院の中だったらうろついたって怒られないはず。



なぜここにいるかはわからなくても、今がいつなのかくらいはきっとわかるだろう。



そう思い、私は着ていたパジャマが隠れるくらいの長いガウンを羽織って恐る恐る部屋の外に出てみた。



そこは部屋からはわからなかったけど、とても大きな病院らしく廊下は延々と続いていた。



構造も知らない未知の建物をあてもなく彷徨うのは危険だとわかっていた。



それで、キョロキョロしていると、さっきの声の持ち主たちなのか、3人の小さな子供達が少し前を歩いていた。



付いて行ってみよう。


< 183 / 381 >

この作品をシェア

pagetop