(完)嘘で溢れた恋に涙する
奇跡的に助かって、



お母さんに私が何をしたのか、周りの人たちが私に何をしてくれたのかを聞いた今、



私は自分のためではなく、凛花ちゃんやお父さんが殺した2人の親子が残した私と同級生の少年とか全ての被害者のために死にたい。



彼等が最も望むのは彼等の憎しみの対象である私のお父さんが彼等と同じ思い、もしくはそれ以上の苦しみを味わうことだろう。



それは、



お父さんが少年から母親と妹を奪ったように、



凛花ちゃんから家族の幸せを奪ったように、



お父さんが娘である私を失うことじゃないだろうか。



所詮、自分のことしか愛していないお父さんは私を失っても大して傷つかないかもしれない。



それでもいい。



ほんの少しでも彼等の傷を癒せるなら、彼等が前を向いて歩き始める理由になるのなら、



私はよろこんでその死を受け入れたい。



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