(完)嘘で溢れた恋に涙する
オレンジは私にとって美結のイメージカラーだ。


いつも太陽みたいに明るい笑顔を向けてくれる美結に一番似合っていると思うし、シンプルなデザインは美結も気にいると思う。


「これにする」


そう言うと、透は頷いてくれた。


レジに持って行きプレゼントだと言うと、無料でラッピングしてくれて、タオルと合わせてくれたのか、リボンの色も目がチカチカとするほどのオレンジ色だった。


全ての買い物を終え、外に出るともう陽は落ちていて真っ暗になっていた。


門限は９時だけど、早く帰るに越したことはない。


急いでバスに乗り下宿のそばで降りた。


早足で下宿へと足を進めていると、後ろで足音が聞こえた。


「由姫？」


美結の声だ。


慌ててプレゼントや差し入れの入った袋をこっそりバッグの中に押し込んで美結から見えないように前に持ち直した。


そして、振り向くとやはり首を傾げた美結が立っていた。


「なんでこんな時間に…ってその隣の男もしかして…」


美結は透をじっと見つめると、一瞬で暗闇でもわかるほどの不機嫌そうなオーラを醸し出した。



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