(完)嘘で溢れた恋に涙する
応援席を注意深く見ながら歩いていくと、すぐに由姫は見つかった。
あの男と仲よさそうに寄り添って、昼食でも食べるつもりなのかコンビニ弁当を開けようとしていた。
憎らしい。
お前はもう全て忘れたのか。
俺は未だにこんなに苦しんでるのに。
お前が自分の身の程もわきまえず幸せを望もうとするのなら、俺はその幸せを1つずつぶち壊してやる。
「幸せそうだな」
なるべく落ち着いてその言葉を由姫に落とした。
由姫はゆっくりと振り向き、そして俺を見上げた。
その表情は強張っていて、大きな瞳に恐怖の色が見えた。
その姿は俺と由姫が最後に会話をしたあの日の姿とは大きく違っていた。
「…陸玖」
由姫は震える声でそっと俺の名前を呼び、隣の男は状況が読めないのだろう、俺と由姫を交互に見比べている。
構わず続けた。
「まさかこんなとこで再会するとはな。びっくりするよ。でも想像していなかった。人殺しの娘のお前が普通の女子高生みたいに全て忘れたように幸せに過ごしてるなんてさ」
それなりに俺の声のボリュームが大きいせいか、俺の放つ言葉が強烈だからか、周りの視線を強く感じる。
「お前なんでそんなに普通に生きてるわけ?」
周りは無音だった。
人の息遣いだけが異様に聞こえていた。
由姫は何も言わずに俺をただ見つめていた。
あの男と仲よさそうに寄り添って、昼食でも食べるつもりなのかコンビニ弁当を開けようとしていた。
憎らしい。
お前はもう全て忘れたのか。
俺は未だにこんなに苦しんでるのに。
お前が自分の身の程もわきまえず幸せを望もうとするのなら、俺はその幸せを1つずつぶち壊してやる。
「幸せそうだな」
なるべく落ち着いてその言葉を由姫に落とした。
由姫はゆっくりと振り向き、そして俺を見上げた。
その表情は強張っていて、大きな瞳に恐怖の色が見えた。
その姿は俺と由姫が最後に会話をしたあの日の姿とは大きく違っていた。
「…陸玖」
由姫は震える声でそっと俺の名前を呼び、隣の男は状況が読めないのだろう、俺と由姫を交互に見比べている。
構わず続けた。
「まさかこんなとこで再会するとはな。びっくりするよ。でも想像していなかった。人殺しの娘のお前が普通の女子高生みたいに全て忘れたように幸せに過ごしてるなんてさ」
それなりに俺の声のボリュームが大きいせいか、俺の放つ言葉が強烈だからか、周りの視線を強く感じる。
「お前なんでそんなに普通に生きてるわけ?」
周りは無音だった。
人の息遣いだけが異様に聞こえていた。
由姫は何も言わずに俺をただ見つめていた。