(完)嘘で溢れた恋に涙する
そうだ。


中学生の時の教室での大暴露の後、俺は感情に任せて美結に酷いことをしてしまったと思い、直接謝った。


すると、美結は姉の話をしてくれた。


俺が由姫の父親や由姫のことを家族の仇として恨むのはよくわかると。


その上で、自分は由姫と一緒にいたいと俺に言った。


俺にとっては理解できなかったし、それでは俺の復讐が完成しないと思ったが、その辛い過去の話を聞いたらもう何も言えなかった。



だけど、その話が今なぜ必要なのか。


「いじめたやつらを全員皆殺しにすれば、お姉ちゃんのようにいじめられる人が減るかもしれん。
それにお母さんとお父さんは悲しむかもしれんけど、このまま泣き寝入りするくらいならずっとましだって思った。

やけど、いじめたやつらの名前は知っても顔がわからんやった。
どうにか手がかりがないかと思ってお姉ちゃんの部屋を探したの。
そしたら学校通信みたいな冊子があって、そこにクラス全員の顔と名前が書いてあった。

けど、そのページに挟まってた。
お姉ちゃんからの手紙が。
宛名はなかったけど、たぶんうちにって思ってくれたんやろうなって考えてる。

そこに書いてあった。
『早まらないで。あんたは幸せになって』って。

見越してたんやろうな。
うちが何をしようとするか。

死にたくなるくらい辛い思いして、1人で死ぬことを決断して、それでもお姉ちゃんはうちのことを心配しとった…」


美結はポロポロと涙をこぼしながら話し続けた。







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