(完)嘘で溢れた恋に涙する
そばにとめてあったバイクの後ろに乗せられ、抵抗せずに彼らに従った。


これから何されるのかは大体予想がついてる。


おとなしく耐えたら、さすがに殺されたりはしないだろう。


唯一読めないのはあの金髪男だ。


あの男はほかのやつらとは違う、そのにやにやとした軽そうな印象の裏に何か違う恐ろしさを持ち合わせてそうで気になる。


でも、何をされたって文句は言えない。


私は本来どんな目にあわされたっておかしくないんだから。


30分ほどバイクに乗って、ついたのは今にもくずれそうな廃工場だった。


中に入ると、下っ端のような人間が用意周到に鍵をかけていた。


これでもう私は完全に孤立状態だ。


周りにはさらに人数を増やした男たちが私を囲んでいる。


急に、金髪男から突きとばされ地面に倒れこんだ。


周りの男たちは飢えた獣のような目で私を見下ろす。


最初に私の制服に手をかけてきた男が鼻息を粗くしながら私の耳元で言った。


「怖いだろ?恨むんだったらお前のどうしようもない父親を恨めよ」

 
おとなしく何も言わず耐える方が私にとっても得策だ、そんなことはわかっていた。


しかし、無視できなかった。


「わかったようなこと言わないでよ」


「は?」


男が動きを止めて私を見た。


やってしまったと深く反省したが、もういい。


言いたいことは全部言ってしまおう。


「あんたたちから犯されたって、殴られたってちっとも怖くない。
私にとって一番怖いのは」


私の言葉を遮って、金髪男がおかしそうに笑いだした。


「お前さあ、状況わかってる?熱弁するのは勝手だけど余計酷い目に合うのはお前だよ?」


「だから怖くないって言ってんだから勝手にすればいいじゃない。
私がこの世で一番怖いのは大好きな人に嫌われること。
あんた達に何されたって怖くない」


そう言った私をその場にいた全員が今にも欧りつけそうな勢いで睨みつけてきたが、実際に行動したのは一人だけだった。


金髪男が無表情で私の腹を容赦なく蹴り上げたのだ。


世の中でこんな痛みがあるのかと驚くほどの痛みに私はしばらく声も出せなくなるほど悶絶した。


それでも言いたいことは全部言ってやらなきゃ気が済まない。


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