(完)嘘で溢れた恋に涙する
わかってるのに
転校してから1週間ほど経った。
この土地にも、学校にもなれてきた。
「おはよーー!」
転びそうな勢いで家から飛び出してきた美結におもわず吹き出してしまう。
朝からギンギンと眩しい太陽にも負けないような美結の笑顔を見るとほっとするんだ。
心が洗われるっていうか、温まるっていうかそんな気分になる。
それはきっと美結が心から純粋だからだろうな。
「お前、朝から暑苦しいんだよ。
暑さ倍増させんな」
すると、理玖がまたそんな風に美結を怒らせるようなことをいう。
「はあ?それどういうこと?」
美結もその言葉を聞き逃すことなくしっかり反論する。
これはいつもの登下校のお決まり。
私を間に挟んで2人がいい合う。
私はそれを止めることもせず、ぼんやりと景色を眺めながら歩く。
たまに登下校が一緒になる友達は、呆れ顔で由姫ちゃん、毎日大変だねなんていうけど。
大変なんて思わない。
逆にこの時間が大好きだ。
好きで、好きで、たまらなくて、まだ私は彼らを切り捨てられない。
今まで何度も経験した、そっと距離を離して、まるでそこには誰もいなかったようにフェードアウトするのはお得意だったのに。
私なんかの感情が邪魔をして、必死にここにすがりついてる。
この土地にも、学校にもなれてきた。
「おはよーー!」
転びそうな勢いで家から飛び出してきた美結におもわず吹き出してしまう。
朝からギンギンと眩しい太陽にも負けないような美結の笑顔を見るとほっとするんだ。
心が洗われるっていうか、温まるっていうかそんな気分になる。
それはきっと美結が心から純粋だからだろうな。
「お前、朝から暑苦しいんだよ。
暑さ倍増させんな」
すると、理玖がまたそんな風に美結を怒らせるようなことをいう。
「はあ?それどういうこと?」
美結もその言葉を聞き逃すことなくしっかり反論する。
これはいつもの登下校のお決まり。
私を間に挟んで2人がいい合う。
私はそれを止めることもせず、ぼんやりと景色を眺めながら歩く。
たまに登下校が一緒になる友達は、呆れ顔で由姫ちゃん、毎日大変だねなんていうけど。
大変なんて思わない。
逆にこの時間が大好きだ。
好きで、好きで、たまらなくて、まだ私は彼らを切り捨てられない。
今まで何度も経験した、そっと距離を離して、まるでそこには誰もいなかったようにフェードアウトするのはお得意だったのに。
私なんかの感情が邪魔をして、必死にここにすがりついてる。