(完)嘘で溢れた恋に涙する
「なん、その目
うちらのこと馬鹿にしよるやろ?
所詮田舎者とか思いよらん?
別によかけど
ここにはあんたなんかの、余所者の居場所はなかもん」
馬鹿にしているように思われたのかな。
余所者という言葉が私の心に突き刺さった。
実際、私の居場所なんてこの島に限定されず、どこにもないんだろうけど。
とにかく何か返事をした方がいいのかなと思ったけど、口は聞けないし、
ノートに書こうと思っても何を書いたって気休めにしかならない気がする。
逆上させたって意味がない。
どうしようと首を捻らせていると、隣の席がガタンとなった。
そっちを見ると、気だる気に立ってため息をつく男子がいた。
その人は私の前に来て背中を見せた。
「いい加減にしろよ。
転校生にそんなことして恥ずかしくないのかよ」
「え、ちょ、陸玖くん、なんでそんな子のことなんか守ると」
聖奈ちゃんは体を震わせて、大きく動揺する。
「守るとか守らないとかそういうんじゃねえって。
転校生をいじめるとかダサいことすんなよ。
大体、この子が余所者なら、俺だって余所者ってことだろ」
この人方便じゃない。
口ぶりからしてもここ出身じゃないみたいだ。
「そういう訳じゃ!」
「理玖の言う通りばい。
聖奈やりすぎ。
由姫ちゃんが可愛かけんって…」
さっき私をかばおうとしてくれた女の子が男の子に続いた。
「〜〜〜っ
うざっ」
聖奈ちゃんは拳を握りしめて、顔を赤くし自分の席に戻り、けたたましい音を出して席に座った。
「ごめんねーー由姫ちゃん。
あの子、佐渡聖奈(セナ)島一番の美人って言われててプライドが無駄に高くってさ。
たぶん、由姫ちゃんがめっちゃ美人やったけん悔しかったとやろうって思う」
かばってくれた子が小声で申し訳なさそうにそう言ってくれた。
私なんかよりよっぽど聖奈ちゃんの方が可愛いのに。
「あっ、うちは日野美結(ミユ)!
よろしくね!」
腕に抱えていたノートに『こちらこそ』と書いてみせると太陽みたいな笑顔を向けてくれた。
今回はいつまでこんな風に笑顔を見せてもらえるんだろう。
うちらのこと馬鹿にしよるやろ?
所詮田舎者とか思いよらん?
別によかけど
ここにはあんたなんかの、余所者の居場所はなかもん」
馬鹿にしているように思われたのかな。
余所者という言葉が私の心に突き刺さった。
実際、私の居場所なんてこの島に限定されず、どこにもないんだろうけど。
とにかく何か返事をした方がいいのかなと思ったけど、口は聞けないし、
ノートに書こうと思っても何を書いたって気休めにしかならない気がする。
逆上させたって意味がない。
どうしようと首を捻らせていると、隣の席がガタンとなった。
そっちを見ると、気だる気に立ってため息をつく男子がいた。
その人は私の前に来て背中を見せた。
「いい加減にしろよ。
転校生にそんなことして恥ずかしくないのかよ」
「え、ちょ、陸玖くん、なんでそんな子のことなんか守ると」
聖奈ちゃんは体を震わせて、大きく動揺する。
「守るとか守らないとかそういうんじゃねえって。
転校生をいじめるとかダサいことすんなよ。
大体、この子が余所者なら、俺だって余所者ってことだろ」
この人方便じゃない。
口ぶりからしてもここ出身じゃないみたいだ。
「そういう訳じゃ!」
「理玖の言う通りばい。
聖奈やりすぎ。
由姫ちゃんが可愛かけんって…」
さっき私をかばおうとしてくれた女の子が男の子に続いた。
「〜〜〜っ
うざっ」
聖奈ちゃんは拳を握りしめて、顔を赤くし自分の席に戻り、けたたましい音を出して席に座った。
「ごめんねーー由姫ちゃん。
あの子、佐渡聖奈(セナ)島一番の美人って言われててプライドが無駄に高くってさ。
たぶん、由姫ちゃんがめっちゃ美人やったけん悔しかったとやろうって思う」
かばってくれた子が小声で申し訳なさそうにそう言ってくれた。
私なんかよりよっぽど聖奈ちゃんの方が可愛いのに。
「あっ、うちは日野美結(ミユ)!
よろしくね!」
腕に抱えていたノートに『こちらこそ』と書いてみせると太陽みたいな笑顔を向けてくれた。
今回はいつまでこんな風に笑顔を見せてもらえるんだろう。