(完)嘘で溢れた恋に涙する
私の涙を陸玖は優しく指で拭うと、照れ臭そうに外に出て行った。



私も頑張ろう。



みんな私のために手伝ってくれているんだから。



「由姫!」




美結に呼ばれて、側に近寄る。



美結はしばらく口にするべきか迷ったように唸り声みたいな低い声を出していた。



だけど、決断したように頷いて私の目を見た。



「あのおばさんさ、その、なんかさ、態度悪くなか?由姫なんか酷いこととかされとらんと?」



心配してくれているんだ。



でも、私が本来受けるべきなのは、こんな暖かい言葉じゃない。



きっと、おばさんが私に向ける冷たい目だ。



暴言に近い辛い言葉達だ。



残酷な裁きを受けるべきなんだ。




< 63 / 381 >

この作品をシェア

pagetop