(完)嘘で溢れた恋に涙する
「そろそろ行くぞー」


「うーい」



その言葉で、私たちは移動し始めた。



場所は近所の空き地。



着くと、他のクラスメイトたちが待っていた。



「何ばしよったと?もう待ちくたびれたばい」



あ、怒られちゃうかな。



1時間もこんな暑い中待っててくれたんだよね。



「由姫ちゃんちで草むしり手伝いよった」



待っててくれた子たちの顔が見れなくて、ぎゅっと目を閉じていた。



だけど耳に入ってきたのはあまりにもあっけらかんとした言葉だった。



「何で俺らも呼びにこんとさ」



「めっちゃ暇かったとけどー!」



「あーすまんすまん、早よやろっさ」



拍子抜けしてしまう。



そんな私の様子に隣にいた美結が気づいたのか小声で話しかけてきた。



「ここにはそんなことくらいで文句言う奴1人もおらんよ」



そうだよなあ。



私わかっていたはずなのに。





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