(完)嘘で溢れた恋に涙する
いつのまにか、空は真っ暗になって、星が出ていた。



側にあった、コンクリートの大きなベンチに腰掛けてみんなを眺める。



私はここで見てるだけでも十分かな。



何本もの花火を持って空中に文字を書く男子たち。



キャーキャー叫びながら、色とりどりの花火を持つ女子たち。



自然と笑みがこぼれる。



あのたくさんの人の中にいても、理玖はすぐに見つけられる。



夜空に光るいちばん星みたいに。



その訳はもう自分でわかっている。



許されないことも勿論わかってる。



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