(完)嘘で溢れた恋に涙する
「ごめんね、遅れちゃって」



来てくれたっていう事実だけでもう十分嬉しくて頬が緩む。



グラウンドに立てられているテントの中に入って、お母さんと2人で腰を下ろした。



「本当にごめんね。時間がなくてこんなものしか…」



お母さんが開けた弁当箱には真っ白なおにぎりと、朝の ご飯の残り物が敷き詰められていた。



仕方がない。



おばさんが私のお弁当作りのためだけに時間を与えてくれるわけがない。



それに、私は白おにぎりが大好きだし、全然構わない。



ありがとうと口を動かして、それらを頬張った。



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