(完)嘘で溢れた恋に涙する
そして、あの何回も体験したあれを思い出した。



ああ、これはあれだ。



何もかもバレたんだ。




クラスメイトたちの真ん中から片方の口元を釣り上げて、クリップで止められたたくさんの紙をパラパラと揺らす聖奈ちゃんが現れた。




「ねえ、理玖くん知ってる?こいつの過去」




「え?」




掠れた声でそう聞き返す理玖の顔を見ることができない。




怪訝そうに眉をひそめる美結と目を合わせることができない。





< 98 / 381 >

この作品をシェア

pagetop