幸せになる権利
第1章 幼い頃の記憶
父
「目ぇ潰したろか!!!ゴルァ!」
このときは、酔っ払って帰ってきた父が、気晴らしに暴れたのだ。
私、結奈(ゆな)は、それが普通だと思っていた。
地域全体に親戚が罠を張っているかのように
「お前、昨日あんなとこで何しててん?」
「このあいだ○○と一緒に遊んでたやろ。」
「次見つけたら引きずり回すぞ!」
どこで何をしていても見られている。いや、見張られているに近いものがあった。
陰で隠れて行動する…ということを、早くに覚えた。