君に恋した
「もしもし、尚之君!」

『あ、そうだ!もう友達なんだし、お互い呼び捨てでよくね??』

今日は明るい声で話してきた。‥って、急すぎでしょ尚之君!

「あっそうだね!っとじゃあ尚之君…」

『な・お・ゆ・き!』

「…尚之っ」

『うんうん♪ありがと!なんか親近感わく~』

あたしはただ名前を呼んだだけなのに、緊張した。

でも尚之が嬉しそうだったから、あたしも嬉しかった。

隣を歩いていた夏海が、あたしを肘で突いてきた。

「ねえ、尚之」

『ん?』

「尚之って何歳?何人家族?どこ中?」

『……え…』


―?なんか急に黙っちゃった。あ、そっか!あたしが一気に質問しちゃったからか!


「ご、ごめん!そんな一気に言われると困るよね!あたし、色々聞きたいことあってっ」

『…あ、いいよ‥』

あきらかにさっきより元気が無い。
< 22 / 71 >

この作品をシェア

pagetop