君に恋した

好き。

あたしはあれから、尚之にメールをしてみた。

『昨日はどうしたの?もし、あたしのせいだったら…ごめんね。返事待ってる。 紗菜より』

でも返事は――来なかった。

あたし、何か気に障ること言ったかな?

なんで…返事をくれないの?3日間も―

勉強も頭に入らないよ…。



「…紗菜って、男子に興味わいたらすぐ好きになるタイプ?」

喫茶店で向かい合って話をしている時、夏海に言われた。

「え?…そ、うなのかな‥」

あたしは、ストローでジュースをかき混ぜながら呟いた。氷がコップにあたって音をたてる。

「でも、言われてみれば…そうかも」

初恋のときも、そうだった気がする。

委員会で一緒になって、なんか知らないけどその人のことを目で追っていた。

気になって、わりとすぐに好きになった。

結局そのままで終わったけどね。

「んで、尚之君は二人目?好きになったの」

「う~ん、そうかも…って、あたし好きだなんて言ってない!」

あたしはムキになって否定した。ただ、気になるだけだよっ。

すると、夏海はあははははっ、と笑いだした。

「ムキになるとこも怪しい!ってか見てれば分かるって!窓見てみれば?」

言われたとおり窓を見る。

そこには、真っ赤な顔のあたしが映っていた。

!!

「それに、普段の紗菜を見てればすぐ変化に気づくよ。最近すごい不安そうな、寂しい顔してる。…そういうことでしょ?」

夏海はニコッと微笑んだ。

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