君に恋した

あたしはすぐに携帯を取る。

相手は、望み通り尚之だった。

…やった！


「はい、もしもし！」

『おっ、紗菜！メールありがとー！俺嬉しいよ』

向こうからはいつもの元気そうな声が聞こえた。

あれ。尚之…普通だ。なんで？

「尚之、この前…」

『あっでも俺、メールより電話の方が嬉しいな～』

あたしの声は尚之に遮られてしまった。

まぁいっか、今は。

「電話？そういえば、なんで電話にこだわるの？」

一瞬え、という困ったような声が聞こえた。

『そっ、そりゃあ紗菜の声が聞けるからだよ！』

「え～本当？なんか隠してない？」

『隠してねぇよ。俺、超真剣だから！』

確かに、尚之の声は真剣そう。だけど…なんか怪しいんだよね。

あたしはベッドに横なった。

…あ、あたし尚之の顔見たこと無いな。

そう思っていると１階から「ご飯食べるわよー！」と呼ばれた。