君に恋した

「‥なっ何言ってるの夏海！」

「だってさ、好きなんでしょ？だったら言ったほうがいいと思うけど」

「‥だからって…」

あたしはうつむいた。夏海は黙って次の言葉を待っている。


あたし…尚之が好き。

友達で終わらせたくない、とは思う。

でもまだ出会って少ししか経ってないし、

告白する勇気は…無い。だって、

「…告白するの怖いよ‥。だって、フラれるのがオチでしょ？‥絶対。だったら友達の方が…」

夏海があたしの肩をガッとつかんだ。

「なんで絶対って言い切れるの！尚之君は、友達っていっても“紗菜”を選んだんだよ？可能性はあるってあたしは思うけど！」

あ…

「尚之君だって、好きかもしれないじゃん！その可能性を捨てるの？」

「…」

可能性―か。あるのかな、あたしに。

でも、尚之は“あたし”を選んでくれた。

もしかして‥なんて。