君に恋した
尚之がぼそっと呟いた。

「‥え?何って言った?」

受話器に意識を集中する。


『―忘れられねぇよ。…きだから』

その言葉にドキッとする。

もしかして、あたしに可能性あるの‥?

「も、もう一回言って!」

『は!また言わせんの!?』

「うん!」

『は‥恥ずかしいからよく聞けよ!』

その言葉をもっとしっかり聞きたい。


『俺も…紗菜のことが好きだ』

胸が高鳴る。鼓動が速まった。

「それ‥本当?」

『当たり前だろ?嘘ついてどうすんだよッ』

「ははっそうだよね‥っ」

目頭が熱くなってきた。

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