君に恋した
あたしまで緊張が伝わってきたみたいで、グッと息を呑む。

『‥あたし、知らない男子に教えちゃった‥』

「‥えっ?何を?」

『―紗菜のメアドを!!』

「あたしのメアドをぉ!!?」

あたしは驚いて叫んでしまった。台所にいたお母さんもびっくりしてこちらを向く。

『うん。なんかね、あたしと紗菜が別れた後に、男子と女性に話しかけられて‥』




「‥あのう、すいません」

「あっはい。なんですか?」

夏海が振り向くと、そこには同い年っぽい男子と女性がいた。

「あなた、紗菜のメアド知ってるかしら?」

「知ってますけど…何か?」

「私達紗菜のいとこなんだけど、メアド聞きそびれちゃって。お願い、教えて頂けませんか?」
< 5 / 71 >

この作品をシェア

pagetop