君に恋した
「……紗菜!おはようっ」

あたしが生徒玄関に入ると、靴棚の所に夏海が立って手を振っていた。

「夏海…おはよ!」

夏海がニコッと笑ったので、あたしも笑い返した。

靴を脱いで棚に置き、上履きに履き替える。

りぼんを結びながらふと顔を上げると、夏海はそれに気づき、目をそらして気まずそうな顔をした。

「…紗菜…聞きづらいんだけどさ」

「ん?なに?」

「…その…ほら、あれ…大丈夫?」

夏海は、言いずらそうにどもっていた。

でも…言いたいことは分かる。


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