君に恋した
「あれって…尚之のことでしょ?」

手の動きを止め言うと、夏海はえっ、と言ってあたしを見た。

「う、うん…そうなんだけどさ‥」

あたしは最後に紐をキュッと結び、立ち上がった。

そして目を伏せている夏海に笑って言った。

「あれならもう大丈夫だよ!‥まぁ、知り合った期間が短かったからかな?そんなにショックは大きくなかったよ~」

……なんて、嘘だけど。

自分で言ってて悲しくなる‥。

また涙が出てきそう。


「…嘘、でしょ」

――え‥‥。



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