君に恋した
「…ショック…だったでしょ?だって、あたしの家で…その……だし」

‥そうだ、あたし…夏海の家でフラれたんだっけ。

泣いたのに、悲しくないわけないよね。

「うん…そうだよ。悲しかったよ…すごく」

「だろうと思った。…もう、分かりきってる嘘つかないでよねっ」

そう言って夏海は笑った。



「………でさ、本題に入りたいんだけど~」

席についたと同時に、夏海が話を切り出してきた。

今日の席は窓側だ。そしてあたしは夏海の前。

「え?本題ってば?」

あたしもバッグを横に掛け、イスに腰をおろす。

「え?…だから、あれだって!」

ズイッっと夏海が身を乗り出してきた。そして

「今朝のメールに書いてた〈決めたから〉ってやつだよッ」

と小声で耳打ちした。

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