君に恋した

「……紗菜、明日行くんだよね?」

「?うん。そうだよ」

下校中に聞かれた。

「それにさ…一人で大丈夫?」

心配そうに見つめてくる夏海。

全然、大丈夫…じゃないよ。

「…正直、不安なんだ、あたし。できれば、できればでいいんだけど‥夏海に付きそってほしい」

一人で行くのは、やっぱり勇気がないんだ。

決意はしたけど、あたし一人だったらそこまでで終わっちゃう。

あたしは夏海がこう言ってくれるのを、心で待っていたのかもしれない。

…お願い、いいよって言って!

「もちろん、いいよ」

‥!


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