Is this love ?
「元気でね」


「そっちもな」


素っ気無い一言で、最後の日は別れた。


伊藤は地方の大学の工学部へ進学し、私は地元の私立大学へ。それきり連絡を取る事もなく、日々は過ぎていった。


大学四年になった頃、私達の高校が隣町の高校と統合される事になった。母校が廃校になるという知らせは、寂しさもあったけれど、就職活動でそれどころではない自分がいた。


目の前の事に必死で、大切な事をどんどん忘れていく。良い事じゃないって思いながらも、どうしようもなかった。自分を正当化する言い訳ばかり覚えていった。


ようやく就職も決まり、単位も取得してあとは卒業を待つだけの新年。一通のハガキが届いた。
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