私の5日間
死へのカウトダウン
この物語は、私が最後に過ごした5日間のお話。
私が『光』にかえるまでのお話。
私がこの物語で伝えたいのは、『生』とは、
何なのか。伝わればあなたは素晴らしい『生』を
過ごすことができるでしょう。

華「あー。待ってぇー‼︎」
私が必死に追いかける。

雛「もー。華遅ーい‼︎早く。帰るの遅くなっちゃうよ。」
そう言っても待ってくれる雛。
これはいつもの光景。部活帰りの華は毎日
雛と帰るのが唯一の楽しみだった。
華は雛が大好きだった。

華「ごめーん‼︎今日も部活終わんの遅くて。」
雛「いつもじゃんか。」
雛はプイッと顔をそらした。

華「雛、怒ってる⁇ごめんね。」
少し沈黙があり、雛が
雛「、、、怒ってないよ。もぅ、慣れた‼︎」
いたずらっぽく笑ってる雛を見て安心したのか
華もつられて笑う。

華「もぅ、びっくりしたぁー‼︎怒ってるのかと思った。」
雛「華に怒る訳ないじゃん。
しかも、こんなつまんないことで。」

華「それも、そぅか。雛はそんなキレ症じゃないしね。」
2人で仲良く歩き駅まで後もぅ少しの所で、
華が急に、

『バタッ‼︎』
雛「えっ‼︎華‼︎ちょっと、華‼︎どうしたの‼︎」
華が倒れたのだった。
急の事で訳わからなくなった雛は、
とにかく学校に連絡して、学校から救急車を呼び、
救急車がすぐに、駆けつけ華が運ばれる。
病院には雛も一緒に行くことになった。
救急車に乗ってる間、一度も意識を取り戻さないことを
心配して、雛はずっと華から目を離さなかった。

病院に着くと外傷がないのを確認し、
すぐに検査室に回された。
華の両親が来た時には検査は終わっていた。

華母「雛ちゃん。華は⁇」
雛を見つけ、すぐに華のことを聞く。

雛「今さっき検査が全部終わったところだって先生が。」
華母「ずっといてくれたの⁇」

雛「はい。華が倒れた時一緒にいたの私だったし。
それに華が心配で心配で。」
その言葉に両親は涙した。

華母「ありがとう。華は幸せ者だねぇ。こんなに想われて。」
そう言い終わって少しすると、白衣の先生が歩いてくる。

医者「楠 華さんのご両親の方ですか⁇」
少し不安な声色で聞いた。この時、予想すればよかった。
この後のことを。

医者「検査結果が出ましたので、一緒にお越し下さい。」
そう言うと、先生は華の両親と歩いて行ってしまった。
置いてけぼりになった雛は、華の部屋に向った。

華の部屋に入ると、まだ目覚めない華が横たわっていた。

雛「華。どうしちゃったの⁇ねぇ、起きてよ。華。」
華の意識を取り戻そうと雛は華の名前を呼ぶ。
すると、指がピクッと動き、うっすらと目が開く。

華「んっ、ひ、、な、、?」
雛「華‼︎目覚めたのね‼︎良かった。
華ったら急に倒れたんだよ。もぅ、びっくりしたんだから。
ちょっと待ってて。華のお母さん呼んでくるから。」

華「うん。わかった。」
もう、完璧に意識がはっかりした華は
受け答えもしっかりできていてもう、大丈夫だと
雛も安心した。

雛がちょうど診察室から出てきた両親に
声をかけようとした時、

華母「じゃあ、もぅ、華は助からないんですか⁇」
雛は固まった。さっき目覚めた華はいつもと変わらず
明るい華だった。そんな華が助からないなんて。
そんなことあるはずがない。

雛「あの、華が目を覚ました。」
それだけを言ってその場を立ち去った。

華母「雛ちゃん、、。」
今の話聞かれたのかと少し焦る。
とにかく華の部屋へ急ぐ。

華母「華。急に倒れたから心配したのよ。
もぅ、意識ははっきりしてるの⁇」
心配そうにお母さんが聞くと、

華「うん。もぅ大丈夫。すぐにでも、
家に帰れるぐらい元気だよ‼︎」
その言葉に、お母さんは残念そうに、

華母「華。残念だけど、家には帰れないの。
明日も色々な検査がしたいって先生が。」

華「私は元気だよ。検査なんかしなくったって大丈夫だよ。」
どうして家に帰れないのか分からない華は、
納得いかない。

華母「大丈夫よ。きっと家には帰れる。
華は何の心配も要らないから。」
意味のわからない華は、
何が大丈夫なのだろう。
私は今のままで良いのに。
と、思いながらも

華「うん。わかった。」
そう言って明日の検査を待った。
その時は、あんな事になるなんて思ってもみなかった。
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