透明人間の色
美香からのメールを貰った時、私は飛び上がった。
“行くっ!”
即座にそう返したメールに返信はない。でも、まあそれが美香だ。
それにしても嬉しすぎる。スーパーで買ったかき氷を食べながら、私は無意識に鼻歌を歌っていた。
だって、前のメールで“秋限定”って送ってきたのに。
夏休みに会えるなんて、全く思ってなかった。
「なに着てこうかな~?」
ワクワクしながら、私はあれこれ服を吟味する。なんだか、男の子とデートする女の子みたいだ。
ただの友達なのに。
いや、少なくともただの友達なんかではない。
私にとって美香は全てだ。
アイスクリームと同じくらいこの世になくてはならないもの。
「って、どこ行くんだろう?」
ピローン
「わっ、聞いてたのかな?」
“この前のアイスクリーム屋さん集合”
必要最低限しか打たれていないメール。
美香はどんな格好で来るんだろう。
というか、達也くんとのデートどうなったんだろう。
やっと、付き合うのかな?
まあ、それは明日会えるのだから明日聞けばいいか。
美香が業務連絡以外は携帯でしたくないのは知っている。
その証拠に業務連絡以外でメールで来たのは、“秋限定”だけなのだ。