透明人間の色




「いいんじゃないんですか?」



沈黙を破ったのは自分で。


「自分だけが好きだというならそれでも」


「言われなくても___」




「でも、自分より正しいと思える相手を見つけることを怖がらないで下さい」



「なっ、何言ってんだ?この僕がっ、…怖がるとか」

「怖くないならいいんです。価値観が変わることを、世界が変わることを恐れないで」


その時ちょうど、ビルの隙間から朝の太陽の光が射し込んだ。

自分は誰に見せるわけでもなくニカッと笑って、それは多分自分の気まぐれ。



「そうすれば、このクソみたいな世界だって、意外と輝いて見えたりしますよ」



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