透明人間の色


「晶人さん」


「ん?」
「………ごめん。なんでもない」


私のこと本当に全部好き?


「そう?気になるなー」
「…せっかく、バカって言うの我慢したのに」
「えー?」


私は聞かない。
絶対に聞かない。


聞けない。


「そう言えば、今回も引き受けてくれたみたいだけど、イケメンってその達也くんのこと?」

「えっ⁉」
思わず大きな声が出た。

「なっなんで?」
「………だって美香ちゃんの口から出てくる男の子ってその子くらいだし」

困ったように笑う晶人さん。ヤバイ。つい反応してしまった。

「そうだけど………達也は連れてこないよ」
「ふーん、じゃあその達也くんの友達にでも頼むの?」
「いや」


「じゃあどうするつもりだったの?」


晶人さんの瞳が一瞬鋭く光っているように感じた。


「それは___。まだ、考えてるところ」

でも、それは本当に一瞬で、夢でも見てたのかと思う。




「そっか。無理はしなくていいからね?」




私の知っている晶人さんはあんな凍ったような瞳はしていないから。

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