透明人間の色


偽善者どうこうという話にはならない。


なぜか私はその事に安心する。きっと、私が普通ではないからだろう。

そうだ。私は普通じゃないのに、普通の人のような日常を望んで過ごしている。

それは世界を救うべき正義のヒーローが、ラーメン屋を営んで一生を終えたいと願うような、そんな愚かな願いだ。



そもそも、そんな人は正義のヒーローにはなれない。



正義のヒーローは、自分のことより他を優先する思考を持つからこそヒーローなのだ。




別に、私は正義のヒーローなんかじゃなく、悪役なんだけど。



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