透明人間の色
唯一私の我儘が許される居場所だから。
………だから、晶人さんが現れた時の違和感は気にしない。
晶人さんが車で迎えに来た時、ずっとすぐそこに車を置いていたんじゃないかと思うほど急に聞こえた車の音は気にしない。
普通は徐々に近づくはずの車の音が、曲がり角から急に聞こえて、私の目の前で止まったなんて、まるであり得ない。
晶人さんが今日の私をずっと見ていたんじゃないかなんて、そんなの冗談キツ過ぎる。
今日はもう本当に何も考えたくなんかない。
仮に晶人さんが私をずっと見てて助けてくれなかったのだとしても、今の私は晶人さんが二人だけの世界に連れていってくれるなら、見てみぬフリをする。
私にはそんなことしか出来ない。