黒ク甘イ、恋。
このクラスに転校してきて、一週間。
ずっと不思議だったことがある。
「・・ね、侑子。」
「んー?」
しゃーペンをくるくる回しながら、後ろを振り向く侑子。
風がやけに気持ちよかった。
「・・・そこの席って、だれ?」
―そう。
転校初日から、ずっと空席がある。
隣の、席。
「ああ。夜斗のこと?」
夜斗・・・
「夜斗?・・・って、男の子?」
「うん。小波夜斗(コナミ ヤト)ちょォイケメンなんだよッ!」