黒ク甘イ、恋。

憂由は俺の父に

『あの岩までつれてって!』


そうワガママを言い


父もそれを受け入れた



―地元の人間でなかったから


俺たちが、小さく無知な子どもで



父が優しく勇敢でなければ



あんな悲劇は起きなかった


「すごーーい!」


岩までつき、ゆっくりと上にのぼる



「憂由!すっごいな!」


子どもながらに精一杯楽しんだ


―楽しんだ・・・のに


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