君のために私は変われたんです
「1、2、1、2」
そんな声が聞こえた。
「だ、誰か助けて!!!」
そう大きな声で叫んだ。
「ちっ」
舌打ちをして弘樹は逃げていった。
それと同時に涙がこぼれ落ちて止まらない。
ど、どうしてこんなことにっ。
「ねぇ君、大丈夫?」
「へ…?」
見たことない男の子が駆け寄ってきた。
「泣いてる、よね?」
「いやっあの、これは…っ」
拭いても拭いても涙は止まらない。
「さっき助けてって叫んだの君だよね?」
「え、どうして…」
「こういうのほっとけない人だからさ。とりあえず涙拭きなよ」
そういって差し出したのはタオルだった。
basketballって書いてあるからバスケ部なのかな?
「あの、バスケ部なんですか?」
「あー。今はちがうかな」
なんか思いつめたような顔してる。
「てゆーか君ってさ國光志穂(くにみつ しほ)ちゃんだよね?」
「え、どうしてそれを」
「カップル有名だったじゃん、畑谷とかゆう奴と」
「あー、。」
思い出すだけで涙がこぼれ落ちる。
「あ、そういうことか」
「すみません、。」
「謝る必要ないよ。俺でよかったら話聞くよ?」
なんだろう。
安心したのかな。
涙が止まってこの人なら話してもいいかなって思った。
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