源氏名・ゆい




クラブの中は暗くてよく見えなかったけど、外に出ると那千君がもっとかっこ良く見えた


すごく落ち着いたダークブラウンの髪


綺麗な二重の目


瞳は透き通るような茶色


少し焼けた肌


長い指


那千君は見とれてしまう程素敵だった


でも……


一番は、やっぱりどこか私と似ている寂しそうな雰囲気が漂っている


那千君は何があったのかな……


「…あのさ。メルアド交換しない?」


「え?」


「せっかく出会ったんだしさ。このまま別れるのも寂しくない?」


私に笑顔で話す那千君は大人だけど、子供みたいな無邪気さも見える


「いいよ。」


私はメルアドはあまり交換しない


後々連絡取るのも面倒だし


でも、那千君とはこのまま離れたくないと思った


「じゃあ、赤外線で交換しますか。」


赤外線で那千君のを受信し、アドレス帳で確認すると

高橋 那千

と、入っていた


数少ない友達の中に、那千君が入ってなんだか嬉しい


もっと仲良くなりたいって思った





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