源氏名・ゆい





「あ、あそこのゲーセン行くか。確か24時間だったから。」


そこはすごく大きいゲーセンで、まだ朝だというのに駐車場には車がいっぱいだった


「愛美ちゃんはよくゲーセン行く?」


「ん〜あんまり行かないかな。ゲーム好きじゃないから。」


「俺UFOキャッチャーにハマっちゃうんだよね。我ながらガキだと思うわ。」


楽しそうにゲーセンに入ってく那千君が、なんだか可愛くて少し笑えた


どのぬいぐるみを取ろうか悩んでいて、何かを見つけたようで私を手招きした


「これ。愛美ちゃんに似合いそう。」


それは、ウサギのかぶりものだった


耳が大きくて頭全体を覆って、顔しか出なくてあごの下でマジックテープでとめるやつ


なんというか……子供がかぶったらすごく可愛らしいとは思うけど


似合うって言われて喜んでいいのかな……


「取れっかなぁ。」


200円入れて、那千君は真剣に取り始めた



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