源氏名・ゆい
私たちは海の近くにあるファーストフード店に入った
私は那千くんの隣に座り、向こうに拓也くんと亮くんと直希くんが座った
「………ちかえ元気?」
拓也くんが真面目な顔をして、私に話しかけた
「元気だよ。てか、私昨日まで知らなくて……」
「そっか。めっちゃ仲良かったからさ。心配で。」
「お前なんで断ったの?」
亮くんが拓也くんの肩に腕を回して聞いた
「ん〜…ちかえはめっちゃ良い奴だし、可愛いけど…俺、見ちゃったんだよね。」
「何を?」
「……ラブホから出てくるとこ。俺もそん時女といたんだけど、ちかえと一緒に出てきたのが…オヤジでさ。」
ガシャンッ―……
「びっくりしたぁ!愛美ちゃんどうしたの?」
「ううん。なんでもない。」
思わずコーヒーカップを落としそうになった
ドキッとした………
たぶん、ちかえ枕してたんだ
(枕:指名してくれるお客さんを増やす為に、ヤること)
「愛美ちゃん、ちかえって援交してんのか?マジ心配なんだけど。」
「……援交はしてないよ。」
援交は、ね……
「そっかぁ。良かった!ん?じゃああの相手はなんだったんだ?」
拓也くんが悩んでいる間に注文したものが来た
「ま、そんなお前が悩む事じゃねえって。食うべ!」
「……だな。」
私は心苦しかった
私たちがやってる仕事は、仕事って言えるのかな……
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