熱情求婚~御曹司の庇護欲がとまらない~
「優月、起きて!! 朝だってば……」


しっかり声を張ったつもりが、私の声は途中で尻すぼみになり、消え入ってしまう。


「っ……!?」


布団を両手で剥がしたまま、私は膝立ちの状態でピキッと固まった。
だってだって、だって……!!


優月が完全蓑虫状態で眠っていた理由が、ここにあった。
彼は裸だったのだ。
身に着けているのは、黒いボクサーパンツだけ。
そんな姿をいきなり目にした私の反応は、絶対何も間違ってないと思う。


「わ、わわわ……」


慌てて布団を放り投げようとした途端、優月が「ん」と小さく唸った。


「寒……」


まだ目を閉じたままで、眉間に皺を刻んでいる。
言葉の通り寒いのか、彼は更に身体を丸め込みながら、多分、無意識に……軽く腰元、お尻の辺りを掻く仕草をした。
そのせいで、優月が唯一身に着けていたパンツが、一瞬わずかながらずり下がる。


「……!!」


優月のぷりっと引き締まったお尻の上半分が、凍りつく私の瞳にバッチリ映り込んでしまった。
私は大きく目を見開き、胸がドッキーンとものすごい音を立てて跳ね上がるのを意識しながら……。


「きゃ、きゃあああっ!!」


優月に思いっきり布団を投げつけ、家中の空気が震えるほど、大絶叫したのだった。
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