熱情求婚~御曹司の庇護欲がとまらない~
ボヤくような優月の声を聞きながら、私はバクバクと騒がしい心臓の音を抑えようと、固く握った手をギュッと胸に押さえつけた。
優月に言われなくたってわかってる。
教えてって言ったのも私だし、もちろんすっ飛ばそうなんて思ってない。
だけど。
「まだ、恋じゃない。そんなことまで、頭回らないってば……」
優月に聞こえないように、小さく泣き言のような独り言を吐いた。
私は優月の言葉通り、『恋をするところから始める』つもりで、始める為のスタートラインを目指しているようなものだ。
だけど優月は、既に一歩先を行ってる気がする。
昨日は『緊張する』なんて言ってたのに、たった一晩で優月の方は準備完了ってとこなのかな。
優月と私の明らか過ぎる温度差は、男女の違いか年の差のせいか、それとも、恋を知ってる者と知らない者の心の余裕からくるものなのか――。
私も優月も、お互いへの恋心を意識するところからスタートしたのは同じなのに。
今じゃ優月の背中は先に進んでいて、この距離を埋めることができるのかどうか不安になる。
『恋人同士』になったはずなのに。
私はまだ、頭も身体も心も全然準備できていない。
それを、初日にして思い知った気分だった。
優月に言われなくたってわかってる。
教えてって言ったのも私だし、もちろんすっ飛ばそうなんて思ってない。
だけど。
「まだ、恋じゃない。そんなことまで、頭回らないってば……」
優月に聞こえないように、小さく泣き言のような独り言を吐いた。
私は優月の言葉通り、『恋をするところから始める』つもりで、始める為のスタートラインを目指しているようなものだ。
だけど優月は、既に一歩先を行ってる気がする。
昨日は『緊張する』なんて言ってたのに、たった一晩で優月の方は準備完了ってとこなのかな。
優月と私の明らか過ぎる温度差は、男女の違いか年の差のせいか、それとも、恋を知ってる者と知らない者の心の余裕からくるものなのか――。
私も優月も、お互いへの恋心を意識するところからスタートしたのは同じなのに。
今じゃ優月の背中は先に進んでいて、この距離を埋めることができるのかどうか不安になる。
『恋人同士』になったはずなのに。
私はまだ、頭も身体も心も全然準備できていない。
それを、初日にして思い知った気分だった。