熱情求婚~御曹司の庇護欲がとまらない~
心の中では、『どうしようどうしよう』と、答えを求める言葉だけがグルグルと渦巻いている。


だってこんな騒ぎになったのだって、私のせいなのに。
マリーさんの言うように、私はここでも優月に任せるしかないんだろうか。
穂積グループを守る為に、優月は言葉の暴力でしかないこんな記事を受け入れてしまうの――?


私はギュッと唇を噛んで、タブレットをベッドの上に置いて返した。
そして、自由になった両手を脇に垂らし、グッと拳を握った。


「……いいえ。優月がこんな記事を認めなくても、企業イメージは守れるはず」


頭の中で対策を考えながら口にした声は、自分でも聞いたことがないくらい低い音になった。
マリーさんも訝し気に私を見上げている。


私は彼女の視線を感じながら、ショルダーバッグを肩に掛け直した。
左手首の腕時計に視線を落とし、時間を確認しながら口を開く。


「ごめんなさい、マリーさん。私も仕事行きますね。もし何か困ったことがあったら、携帯に電話ください。それじゃ……」

「私の心配なんかいいわよ。それよりアヤノ、あなた何をする気? 何を考えてるの!?」


マリーさんはそう言いながら、背を向けかけていた私の後ろ手を引いた。
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