熱情求婚~御曹司の庇護欲がとまらない~
「ごめん。婚約解消したばかりで、綾乃ちゃんもまだ混乱してるのはよくわかるのに、こんなタイミングで言っても動揺させるだけか」
そう言って、目の前で進藤さんが立ち上がった。
ガタッと音がするのを聞いて、私もハッとして顔を上げる。
進藤さんは横にどけてあったトレーを持ち上げながら、優しく細めた瞳で私を見下ろした。
「でも、返事は考えておいて。じゃ、そろそろ行くね」
「えっ、あ、あのっ……!」
進藤さんがクルッと背を向け歩き出すのを見て、私も反射的に立ち上がっていた。
そんな私を、彼は足を止めて振り返っている。
「優月とじゃ今更過ぎて、もう恋にならないんだろ? だったら俺が全部教えてやるから」
「っ……」
『じゃ』と短い一言を残し、下膳台に向かっていく進藤さんの背中を、私は途方に暮れながら、だけど胸をドキドキさせて見送った。
優月との間では、お互いに踏み出せなかった恋。
それを、優月以上にお兄さんのように思っていた進藤さんと?
優月の親友の進藤さんと……?
初めて直面した『恋の始まり』にただドキドキする。
優月との間には今までなかった鼓動の反応に、自分でも戸惑いを隠せない。
結局私は、進藤さんの言葉が嬉しいのか困るのか、判断できなかった。
そう言って、目の前で進藤さんが立ち上がった。
ガタッと音がするのを聞いて、私もハッとして顔を上げる。
進藤さんは横にどけてあったトレーを持ち上げながら、優しく細めた瞳で私を見下ろした。
「でも、返事は考えておいて。じゃ、そろそろ行くね」
「えっ、あ、あのっ……!」
進藤さんがクルッと背を向け歩き出すのを見て、私も反射的に立ち上がっていた。
そんな私を、彼は足を止めて振り返っている。
「優月とじゃ今更過ぎて、もう恋にならないんだろ? だったら俺が全部教えてやるから」
「っ……」
『じゃ』と短い一言を残し、下膳台に向かっていく進藤さんの背中を、私は途方に暮れながら、だけど胸をドキドキさせて見送った。
優月との間では、お互いに踏み出せなかった恋。
それを、優月以上にお兄さんのように思っていた進藤さんと?
優月の親友の進藤さんと……?
初めて直面した『恋の始まり』にただドキドキする。
優月との間には今までなかった鼓動の反応に、自分でも戸惑いを隠せない。
結局私は、進藤さんの言葉が嬉しいのか困るのか、判断できなかった。